ハッチョウトンボとノハナショウブ観察会

 2023年6月11日 「ハョウトンボとノハナショウブ観察会」を開催しました。会員含め24名の参加がありました。
 本観察会では、最初に駐車場脇の堀に植栽されている「ハナショウブ」と「ノハナショウブ」を見ながら、5月にこの堀に咲いていた「カキツバタ」の写真と比較してその違いを説明しました。

植栽されたハナショウブなどを観察

ハナショウブは、外花被片の基部に黄色い斑紋がある


次にトンボ池を案内し、トンボ池ではかつては「ジュンサイ」が生育していましたが、人の手により数株の「スイレン」が植えられたことにより、やがて「スイレン」がトンボ池を埋め尽くしてしまい、2016年頃を境に「ジュンサイ」は全く生育できない環境となってしまいました。これは、「綺麗だから、ほんの少しだけなら・・・」と自生種以外のものを移植したことにより、既存の生態系が壊れた一例として紹介しました。

トンボ池のエピソードについて説明

トンボ池の水面を覆いつくしているスイレン


今年は、トンボ池湿地のノハナショウブの開花が少し遅く、つぼみの状態の株も多数ありました。

トンボ池湿地でノハナショウブを観察

ノハナショウブの開花が遅れ気味

 次にサギソウ湿地へ行き、ハッチョウトンボと湿生植物を観察しました。
ハッチョウトンボの出現は例年であれば5月初旬ですが、今年は521日に確認したのが初見日でした。なお、観察会の前日に下見した時には20数頭を確認しました。
 昨年は梅雨時期の降雨量が少なく、湿地も乾燥気味であったことから7月下旬に水路に土のうを置いて水の流れを変えたり、水源に近い箇所の水路に溜まった落葉や土砂を取り除いたりしましたが、ハッチョウトンボの出現にどう影響するか心配でした。しかし、今年は初見日が遅かったもののこの時期に20数頭が確認できて一安心しました。
一方、こい岩湿地のハッチョウトンボは未確認でどうなっているのか気になっています。
サギソウ湿地でハッチョウトンボ発見

成熟したオスのハッチョウトンボ

成熟したメスのハッチョウトンボ

こい岩湿地ではハッチョウトンボに出合えず